新生讃美歌384「語り伝えよ」
詞:キャサリン・ハンキー
ハンキーが語り伝えたかったキリストの物語
キャサリン・ハンキーは30才の時、重病に罹った。長い闘病生活がやっと快復期に向かった1866年、彼女はキリストを歌った長い詩を書いた。最初「求められた物語」と題する第1部を書き、同年遅く、まだ療養中に、第2部「語られた物語」を書いた。両部とも、それぞれ50節から成る、長い詩である。
その第1部を一つの賛美歌にまとめたのが聖歌436番の「語り聞かせよ」で、第2部をまとめた「語り告げばや」という詩が『新生讃美歌』384番の「語り伝えよ」となった。
語り伝えよ 主のみ恵み
とわのみ栄え 主の愛をば
語り伝えよ まことなれば
心満たされ 疑いなし
語り伝えよ 神のみ言葉
とわに伝えよ 主のみ栄え
とわのみ栄え 主の愛をば
語り伝えよ まことなれば
心満たされ 疑いなし
語り伝えよ 神のみ言葉
とわに伝えよ 主のみ栄え
二つとも今日に至るまで全世界の教会で愛唱され、歌い継がれている。
アラベラ・キャサリン・ハンキー(Arabella Katherine Hankey、1834~1911)は裕福な銀行家の家に生まれた。父トーマス・ハンキーはウィリアム・ウィルバーフォースの「クラファム団」に属していた。これは19世紀のリヴァイヴァルと海外宣教に活躍した英国のクリスチャンの群れである。キャサリン自身も、聖書に親しみ、ロンドン市内のあちこちで日曜学校や聖書研究を開き信仰復興に大いに貢献した。
(山中猛士 1931-2018)