「主はわたしのために、いのちを与えてくださいました。」(原詞:わたしはあなたにいのちを与えました。)との主からの呼びかけに応えて 新生讃美歌626「主はいのちを与えませり」

新生讃美歌626 「主はいのちを与えませり」

詞:フランシス・ハヴァガル 曲:フィリップ・ブリス

フランシス・ハヴァガル(Frances Ridley Havergal、1836~1879))は神童と呼ばれるべきかも知れない。4歳にして聖書を暗記し始め、7歳にして詩を書き、ピアノや声楽も賜物が豊かに備わっていた。フランス、ドイツ、イタリア、ラテン、ギリシャ、ヘブライの各語をマスターし、新約聖書全巻、詩篇、イザヤ書、小預言書を暗記していた。

しかし、彼女の最大の特徴は、献身に徹していた事である。14歳の時深い信仰的経験をし「その日、身も魂も救い主に献げた。すると、その時以来、天と地とが輝いて見えるようになった」。

彼女は、「賛美界の最も美しい声」とも「聖潔の詩人」とも呼ばれた。先ず祈ってからでないと詩を書かず、歌も歌わなかったからである。

1858年、22歳の時、デュッセルドルフの美術館で、有名なステルンベルグの『エッケ・ホモ(此の人を見よ)』という絵を見た。茨の冠を被りピラトと群衆の前に立つキリストの絵の下には「我れ此れを汝になせり、汝何を我れになすや?」と書かれている。じっとその絵に見入っていた彼女は、手元の紙切れに詩を書いた。英国に帰って、もう1度その走り書きを読み直したところ、気に入らなかったので、ぽんとストーブに投げ込むと、その紙は炎の勢いにはね飛ばされて床に落ちてしまった。それを牧師である父が拾って、娘に詩を保存しておくように励まし、自ら曲までつけた。(現行の曲はブリスの作。)

主は生命を 与えませり
主は血しおを 流しませり
その死によりてぞ われは生きぬ
われ何をなして 主に報いし

I gave My life for thee, My precious blood I shed,
That thou might’st ransomed be, And quickened from the dead;
I gave, I gave My life for thee, What hast thou giv’n for Me?
I gave, I gave My life for thee, What hast thou giv’n for Me?

以下、『聖歌』157番の訳

我れいのちを汝れに与え 血に汝が身を潔くなして
死と陰府の手より 汝れを解きぬ 如何なる物もて汝れ応えし。

1878年夏には、心身だけでなく、ハヴァガルは宝石など多くの財宝を宣教団に献げたことでも知られている。

(山中猛士 1931-2018)

626 主はいのちを与えませり

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