新生讃美歌56 「朝風しずかに吹きて」
詞:ハリエット・ビーチャー・ストウ 曲:フェリックス・メンデルスゾーン(『無言歌』〈慰め〉)
一年間で30万部売れた『アンクル・トムの小屋』(1852)で一躍有名になったハリエット・ビーチャー・ストウ (Harriet Beecher Stowe)(1811-96)は、19世紀後半に世界で最も著名となった女性の一人である。
ハリエットは会衆派の牧師の娘として生まれ、父が校長になったシンシナティの神学校のカルヴィン E・ストウ教授と結婚した。ストー教授は後にアンドーヴァー神学校の教授となったので、1874年に此の神学校を卒業した新島襄を教えたかも知れない。
ハリエットは夫や6人の子供の世話をする傍ら、本の執筆、奴隷解放運動のために、朝は4時半起きだったという。小鳥の囀(さえず)り、荘厳な日の出、神様の臨在。多忙な彼女にとって朝ごとの神との交わりが、40冊もの著書や、賛美歌や宗教詩の創作において、彼女の人生の基盤であり、生きる上の秘訣であり、エネルギー源であった。
ある朝彼女は詩編139編17, 18節に触発され、この詩を創作した。
「神よ、あなたのもろもろの思いは、何と私に尊いことでしょう…私が目覚める時、私はなおあなたと共にいます」。
(山中猛士 1931-2018)